Surface

Surface Proのバッテリーが充電できない状態から回復した件

Surfaceバッテリー

さて完全放電させたSurface Pro 6だけれども、実はバッテリーが充電できない不具合にも遭遇していた。

ネットでは不具合を紹介する事例も多いし、なんとココログ同志 “世の中は不思議なことだらけ” ラムさんも、「ある日突然、Surface Proが充電できない状態になった」という事態に遭遇したとのことだ。(該当記事)

彼の場合はマイクロソフトの指示に従ってドッキングステーションから付属充電器に切り替えたら充電再開したものの、再びドッキングステーションに戻したら充電再停止してしまったとのことだ。で、結局はマイクロソフトによる次なる指示、「それでもダメな場合は強制シャットダウンして下さい」によって、ようやく問題解決したそうだ。

マイクロソフトのWindowsはハードウェアをキメ細かく制御することが可能で、特にマイクロソフト自身が製品化しているSurfaceは、Windowsがハードウェア機能をフル活用できるように開発されている。

だから調子が良い時は本当にサイコーなんだけれども、「精密な機械ほど狂いやすい」という面も持っている。(ギリギリのところまでチューニングしているから、どうしてもそうなってしまう)

我がSurface Pro 6の場合は文鎮化しているので、さらに対応は難しかった。そこで今回は、どうやって充電可能状態まで持っていたかを紹介させて頂くことにする。

まず最初に断っておくと、我々が真っ先に従うべきはマイクロソフトの公式ページだ。

ラムさんを初めとして、この公式ページの指示に従って無事回復した人は多い。本当に役立つサイトである。(まあそもそもトラブル事例がネットに溢れている点は、少々引っかかるけど)

Windows本体、ドライバ関連、強制シャットダウン、強制再起動… と、順を追って対応方法が紹介されている。殆どの人が、この段階で救われている。

ところが残念ながら、それでも復活できないSurfaceも存在する。

Windowsが起動ロゴしか表示できなくなる不具合では、完全放電すると無事回復するケースが報告されている。が、今回は逆にこの完全放電することによって、不具合が発生してしまうという次第だ。
(世の中、なかなかムズカシイですな)

別にSurfaceが正常動作している場合でも、世の中にはスリープ状態のまま何か月も放置させ、それによってバッテリーが完全放電されてしまう人たちも存在する。どうやらそういった方々が、公式ページでも復活させられない悲劇に遭遇することが多いらしい。

リチウムイオンバッテリーというのは完全放電による過放電に対処するため、幾つかの工夫が施されている。Surfaceバッテリーも例外ではなく、スリープ状態で急速にバッテリー消耗してシャットダウンへ至る場合には、安全装置なるものが働いてしまうのだ。そうなるとバッテリーは、「一定以上まで充電されないと安全装置を解除しない」という状態へ移行してしまう。

ムズカシイ話は気にしないでおこう。ともかく完全放電などをキッカケとして、バッテリーの安全装置が働いてしまうのだ。これはバッテリー自体の機能だから、Surfaceのソフトウェアやハードウェアを操作しても、バッテリー充電が出来るようには復活しない。

ちなみに「一定以上まで充電されないと安全装置を解除しない」という記述は “電気設備の知識と技術” を引用させて頂いている。ここで何を充電するかというと、バッテリーの「特定のセル」となる。バッテリーというのは複数のセルで構成されており、その一つだけは安全装置が働いても充電されるように作られているという訳だ。

そしてそのセルが一定以上に充電されたら、全セルの充電が再開される。安全装置の解除だ。マイクロソフトの担当者によるとSurfaceバッテリーでは24時間くらいが目安とのことで、実際に一日半ほど充電器を接続して様子見していたら、無事に充電可能になったという事例が報告されている。

やっぱり電子機器は電気によって動いている訳で、特にバッテリー周辺は「奥の深い世界」だと言えそうだ。そしてさらに奥の深い話として、この安全装置が正常動作しなくなるという可能性も存在するらしい。

さてそんな時にはどうすれば良いのだろうか。もちろんマイクロソフトに修理依頼を出すのが理想だけれども、梱包/発送/受け取りの手間と日数が必要となるし、そもそも機器交換となってしまう。つまり “Suruface保存データが全て失われてしまう” という悲劇が生まれることになる。

で、マイクロソフトとしてはあまり推奨していないけれども、サードパーティー製の認定充電器によってバッテリー安全装置を解除するという方法が密かに存在している。具体的に言うと大容量のPD充電器を使って、高速充電をかけてしまうのだ。

“自作モバイルバッテリーによるSurface Pro充電” に挑戦したgenさんがブログ記事で解説して下さっているが、あの独特なSurface Proコネクタ充電ポートは、実はUSB-Cプロトコルに近いらしい。ただしSurfaceの付属充電器は高速充電しないように設計されているらしいので、このPD充電器によって一味違ったインパクトを与えるというアプローチだ。

実際、これによって “真っ暗なまま全く起動しなくなってしまったSurface Pro 4” が、見事に復活したという事例が報告されている。そもそもマイクロソフト純正製品にしても、公式ページの説明によれば、SurfaceドッキングステーションとSurface付属充電器だと挙動が異なっている。

もう、僕のような素人には何が何だか良く分からないという状況だ。別にSurfaceに限らず、最近のノートパソコンやスマホは本当に厄介な存在だ。(某オッサンが、「全てマイクロソフトのはSurfaceハードウェア部分が悪いのだ!」と叫ぶ気持ちも、分からないでもない)

ともかく僕のSurface Pro 6にしても、純正ACアダプター(充電器)では全く充電できない状態になっていたのに、PD充電器を接続したら無事に充電再開となった。うーん、すごいっス。

さすがに65W大出力のせいか、充電時はMacbookのACアダプター並みの発熱だった。そうそう、そういえば先ほどのgenさんも僕と同じく、Macbook → Surface転向組だ。いずれもクセ者PCだが、そういった部分が我々のハートをキャッチしてしまうのだろうか…..

ともかく、以上が「Surface Proのバッテリーが充電できない状態から回復した報告レポート」である。少しでも皆さんのお役に立つ部分があれば幸いだ。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静