Lindbergは高級フレームとして有名で、レンズ作成にも費用がかかります。
私はLindberg Air Titaniumフレームのメガネを、総額1万8千円の格安価格で作成したことがあります。
(ちなみにiPhoneやiPadが手元部分で拡大表示される “遠近両用” レンズです)
私以外だとレンズだけですが、5千円でレンズ作成するのに成功した人がいます。
ちなみに奥様が2年前に作成したメガネは、レンズが10万円でフレームが6万円でした。合わせて16万円です。
一体どうしたら、格安価格でLindbergのメガネフレームのレンズ作成をすることが可能になるのでしょうか。
今回は格安価格の種明かしと、レンズ作成時の注意事項を説明したいと思います。
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Lindbergのフレーム
Lindbergのフレームを “おトクに” 購入するには、3つの方法があります。
デパートで購入(小)
まずは最も効果の低い「ちょっとだけお安く購入する方法」です。
Lindbergのフレームは、Lindberg社によって販売価格が決められています。だから日本の正規販売代理店で新品を購入すると、冒頭のような6万円(2020年7月21日の2年前)といったお値段になります。
これを正式に安く購入するには、例えば高島屋の中に店舗を構えているイワキメガネで購入します。そのデパートの会員カードを作成し、10%引き制度を利用するのです。
(私はこの方法で高島屋内の店舗から、ネスプレッソの珈琲カプセルを購入していました)
このデパート内店舗をレンズも一緒に購入すると、特別キャンペーン期間ならば20%引きで購入できることがあります。
これが正攻法で最も格安な価格でLindbergフレームのメガネを作成する方法です。正規販売代理店のベテラン技術者にレンズ作成して貰うことも可能なので、最も安全とも言えます。
初心者には最もオススメな方法です。
海外で購入(中)
世界は広いです。
日本であれば、正規販売店からメーカー指定価格で販売せざるを得ません。しかし世界は広く、旧モデルとなった在庫処分品を格安価格で販売するようなネットショップが存在します。
これは一時的なイベントなので、eBayのようなところを常時監視する必要があります。私は未使用のLindberg Spiritというフチなし(ツーポイント)メガネを1万8千円という格安価格でゲットしたことがあります。
ちなみに私が知っている限り、日本国内でも5年ほど前に在庫処分品が販売されたケースが存在します。その時は3万円(大人用)でした。
これが私の把握している、格安価格で “新品” Lindgergフレームを購入する方法です。
ただし新品なので他人の色に染まっていませんが、当然ながらLindbergフレームを自分用に調整する必要があります。幾つかの正規販売代理店では、このようなフレームを持参してもレンズ作成&フレーム調整して貰えます。
私の場合はこの方法でイギリスの問屋からLindberg Spirit Basicを格安価格で購入し、イワキメガネでレンズ作成して頂いた経験があります。
なおこの方法の欠点は、殆ど欧米向けフレームしか購入できないことです。実は日本で販売されているのはアジア向けフレームです。例えばクリングス部分が、欧米向けフレームよりも1mmほど長かったりするのです。
これはSpiritであれば、調整方法によって短さをカバーすることが可能です。しかしLindberg Air Titaniumという針金のようなフレームの場合は物理的に不可能です。いさぎよく諦めるしか方法はありません。
ちなみにアジア向けを欧米人が使う場合は、クリングス部分をカーブさせるといったことが可能で、調整の余地はあるのだそうです。
(それからLindberg Spiritにしても、欧米向けフレームはレンズを通す部分の長さが3mmです。アジア向けは5mmなので、近視の方には無理があります)
これだけ制約条件が厳しくても私が前述のような輸入フレームでレンズ作成に成功しているのは、私は正視なのでレンズが薄くて大丈夫だからです。それからイワキメガネにお願いしたので、欧米向けフレームをアジア人に適用する調整方法を知っていたのです。
そういえば中古品を購入した際、レンズが分厚くてノーズ部分の先端が埋まっているメガネが存在しました。これもイワキメガネでレンズ交換して頂いたのですが、技術者さんと「販売証明書では国内有名店の販売フレーム。なんで日本向けの5mmタイプでなく、わざわざ3mmタイプを使ったのだろう?」と、頭を捻った経験もあります。
格安価格でLindbergフレームを調達するのも、なかなか大変です。
中古品を購入(大)
最もインパクトのある格安価格でLindbergフレームを入手する方法は、「他人が使っていた中古フレームの購入」です。私はこの方法で、8,000円の中古フレームを購入しました。
購入したのは、もう閉店してしまった渋谷の中古フレーム販売店です。私がそのお店を発見した頃は、穴場であって良品が多数販売されていました。
そのうちに販売開始と同時に売り切れるほどの人気店になってしまったのですが、もしかしたら私が紹介したことが原因かもしれません。問題はそうなると、気に入ったデザインのフレームが購入できなくなることです。
そこで私が思いついたのが、たとえばKellaフレームをDagurのように変形させてしまうことです。針金のようなチタンフレームのLindberg Air Titaniumにのみ許された技です。
なお流石に変形させたフレームではお願いしたことがありませんが、正規販売代理店で中古品のフレームに自分用のレンズを作成して貰うことは何度もやっています。この時のフレーム調整は、正規販売代理店の技術者にやって貰えました。
格安価格のレンズ
さて厄介なのはレンズです。
2020年7月21日時点では、イワキメガネは他社購入のフレームでもレンズ作成OKです。だから先ほどのようなLindbergフレームでも、安心して購入できる訳です。
(それからLindbergは1mm程度のチタン針金ですが、モデル名や製造番号が印字されています。この製造番号により、Lindberg社は、どこの販売店で何を売ったか分かっている訳です)
ちなみにイワキメガネ以外のLindberg正規販売代理店でも、高級レンズを安価に作成して貰えるお店があります。しかし格安価格という程ではありません。それから対応可能なのはLindberg Air Titaniumのみです。(つまりSpiritは対象外。これに対応できる正規販売代理店でない眼鏡屋は限られています)
“格安価格” ということになると、やはりスリープライスが自慢の量販店にお願いするしかありません。そうするとフレーム調整は独力でやることになります。
なかなかコツが必要となる作業です。実は私、中古フレームを1本ダメにしてしまいました。Lindbergの弱点として有名なノーズ部分を折ってしまった訳です。
またスリープライス店にレンズ交換をお願いする場合は、特別な工作機械を持っていることが必要です。具体的にいうと、Lindberg Air Titaniumの場合、レンズの周囲に幅1mmで深さ0.5mmの溝を掘る必要があるのです。
私は近所の量販店の店長さんと親しくなり、レンズ作成だけをお願いしたことがあります。ちなみにその店の工作機械では、幅0.7mmで深さ0.3mmの溝しか掘れませんでした。
だからフレームを独力で調整するだけでなく、レンズの周囲の溝を拡張する作業も実施しました。メーカーからすると変な注文をする客で、よくまあレンズ作成して貰えたと感心しています。
ともかく遠近両用という特殊レンズ(累進レンズ)でレンズ作成して貰えた訳です。それでLindberg向けレンズを、なんと1万円で作成した貰ったとう訳です。
で、最終的にフレーム(8,000円)とレンズ代(10,000円)を合わせた総額18,000円でフレーム&レンズを調達できた訳です。
なおこのようなレンズ作成を受けて貰えるかどうかは、量販店だと店長の裁量次第です。JINSは比較的柔軟に対応して貰える傾向があり、最近では眼鏡市場などでもレンズ作成を実施して貰えるとのことです。
まとめ
以上のような手段により、総額18,000円でLindbergフレーム&レンズ作成が何とかなってしまう訳です。
ただしノーズパッドは自力で調達する必要はあるし、フレーム調整も自力でやる必要がある訳です。(Lindbergフレームの調整は厄介だし、正規販売代理店以外で調整可能な技術者は皆無に近いです)
私の場合は自分用に正規販売代理店も含めて20本以上のフレームを購入したし、奥様も子供もLindbergです。そうやって経験値を高めたことによって、何とかなっている訳です。
正直いって、他人にオススメしたいとは思っていません。今回はネット掲示板などで格安購入に憧れて地雷を踏む人が後を絶たないようなので、どれだけ大変かを紹介させて頂いた訳です。
まあ私の場合、苦労しただけの価値はあったと言えそうです。それに私の眼は嬉しいことに、格安レンズで十分に活躍できるので。
(我が家の奥様はスマホ魔人で視点を動かさないタイプなので、2020年7月22日時点では超高級レンズしか使えません)
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:四葉静