眼鏡

スマホのヘビーユーザーには遠近両用メガネがオススメ

Lindberg Spirit Plate

メガネ関連の記事を幾つか投稿しましたが、ようやく本題に入れます。

旅行ブロガーは手元作業が多いです。手帳にメモ鍵をしたり、携帯端末で記事作成をしているからです。

しかし歳を取ると、だんだん長時間の手元作業が辛くなって来ます。俗にいう、「老眼」というヤツです。

そんな私を支えてくれるのが、冒頭画像のようなLindberg Spirit Plateです。

これはレンズの上半分が遠くを見やすい度数になっていて、下半分が手元を見やすい度数になっています。

眼鏡店では遠近両用レンズと呼ばれています。

実はこの遠近両用レンズが、スマホを使う若い方々にも役立ったりするのです。

そこで今回は、私が遠近両用レンズをどのような度数設定にしているのか紹介させていただくことにします。

遠近両用レンズとは

メガネとは、人間の視力を矯正するための補助道具です。

単焦点レンズ

「何を今さら」と思うかもしれませんが、補助道具なのです。そして人間の視力というのは、ピントが1箇所にしか合いません。だから見たい物体の距離に応じてピント調整しています。

このピント調整は瞳孔の絞り込みと水晶体を変形させることで実現している訳ですが、何も力を入れていないと一番遠くが見えるようになっています。

その一番遠くが見える状態が手元数メートルになってしまっているのが、「近視」というヤツです。無限遠を通り越して、どうやってもピントが合わないのが「遠視」です。

そして人間のピント調整力は、もう二十歳になった時点でもピークを過ぎています。徐々に調整力は衰えていき、50歳近くで日常生活に不便を感じるようになります。俗にいう「老眼」というヤツです。

(もちろん個人差がありますけど、調整力が向上することはありません。筋力の衰えによるものなので、逆らうことは出来ません)

そこで冒頭に話は戻り、補助道具のメガネやコンタクトレンズに頼ることになります。正視(ちょうど無限遠にピントが合う)な者ほど、メガネなどの助けが必要になる時期が早いです。

なぜなら… 眼鏡屋さんで「遠くがシッカリと視えるように、ギンギンにチューニングしました」と言われたことはありませんか。(私はあります)

そうなんです。明るいところは瞳孔が絞られるのでピントが合いやすくなるし、乱視なども矯正すれば、数メートル先でピントがあうレンズでも快適に利用できるのです。

現代は屋内生活が多いので、「ちょっとだけ緩めた設定」で眼鏡レンズを作成することが多いです。そして緩めた分だけ、手元が見えやすくなります。

ちなみに実は遠近両用レンズに限らず、一般的な単焦点レンズでも手元は見えやすくなっています。視線を足元の方向に落とした場合、ピントは地面に合えば十分です。

そこで単焦点レンズと言いながら、多くのメーカーでは内側の下側だけレンズ加入度が若干高めになっているのです。虫眼鏡と異なり、自然な視界となるように様々な工夫や技術が投入さいれています。だから高級な両面非球面レンズなどは数万円もする訳です。

単焦点レンズでも常用/近用(40cm作業中心)と2タイプに分かれていたり、現代人は大変です。

累進レンズ

さて加齢が進むと、単焦点レンズでは対応が難しくなって来ます。いよいよ遠近両用とか中近両用といった累進レンズの登場です。

先ほどの単焦点れんずでは、足下の方向は地面が見えるくらいで十分だと説明しました。このアイディアを発展させたのが累進レンズです。

人間というのは上を見るときは遠くを見ることが多く、下側を見る時には近くを見ることが多いです。

そこでレンズの上方から下方に向かって徐々にレンズ加入度を変化させて行けば、1つのレンズでも様々な距離に対応しやすくなるという訳です。

ぱくたそ素材

たとえるならば、累進レンズとはビルのようなものです。レンズはビルの小さな窓を集合させたようなもので、それぞれの部分が異なった度数で構成されています。上の階の窓は遠くを見るように調整されていて、下の階はすぐ近くを見るのに調整されているようなものです。

この度数変化をする領域は決まった範囲に限定されています。その範囲の縦幅を累進帯長と言います。そして変化する度数を加入度数と言います。

わずか数十mmですが、その間の度数変化は幾つものパターンが用意されています。基本的には正面で加入度がゼロとなる「遠近両用」と、正面で既に1.0程度の加入度となっている中近両用です。

この名前からも分かるように、中近両用は室内生活が中心の人向けです。一方で遠近両用は正面で無限遠に焦点が合うように出来ているので、自動車の運転などにも使えます。

昔の遠近両用レンズは車の運転と書類チェックを想定したもので、中間距離の視野は今ひとつでした。(何しろ人間の眼球運動には限度があるのに、正面で加入度ゼロです。わずかな距離の間で歪みなく急激に度数変化させるレンズを設計するのは困難でした。)

しかし最近ではコンピュータの高性能化や職人技のデータ化が進み、利用者の生活パターンの分析も進みました。おかげで遠近両用レンズであっても、大型PCディスプレイであっても快適に使える時代が訪れました。

おかげでiPadなどの支援ツールが充実したものの、眼鏡屋さんの技量差が明確に現れるような時代となりました。またスリープライス店と呼ばれる量販店でも、十分に使い物になる遠近両用レンズが販売される時代となりました。

万人向けの設定

さて以上のような流れをぶった斬るのが、現在私が使用しているメガネです。一見すると、TVドラマのガリレオで湯川学先生(福山雅治)が使っていたメガネと瓜二つです。(Lindberg Spirit 2050ベース)

Lindberg Spirit Plate

少し縦幅を増やして29.5mmとなっていますが、それでも遠近両用の常識を超えています。何しろ累進帯長13mmです。メーカー推奨だと最低31mmは必要です。オマケに既に販売終了となってしまった、旧世代の遠近両用レンズです。(東海工学のセレノ)

遠近両用は累進帯の上に十分な余裕がないと遠くは見えにくいし、下に十分な余裕がないと近くが見えにくいとされています。だから私は、次のような工夫をしています。

  1. 累進帯長は13mm
  2. 累進開始地点を上方に
  3. 超軽い眼鏡フレーム

累進帯長は13mm

まず今回の東海工学セレノは、東海工学の中でエントリーモデルと位置付けられていました。基本設計が良くて製品寿命は長かったですが、眼鏡店で「最も安いレンズをお願いします」と注文した遠近両用レンズです。

そのため11mmタイプと13mmタイプの2つが販売されていましたが、長い方の13mmを選択しました。その方が度数変化が緩やかで、大型PCディスプレイやタブレットなどの距離に似合っていたからです。

ちなみに13mmといっても、外面累進レンズでした。つまりレンズの外面(目の反対側)で加入度数が累進的に変化するので、現在の内面累進レンズだと12mmくらいになりそうです。

ちなみに加入度数は2.0です。1.75程度までが無難なところだと言われていますが、基本設計が良いので一歩踏み込んだ加入度です。その分だけ歪みが増大しているハズですが、今のところは全く気になりません。

あと外面累進なので、内面累進よりも実質的な加入度は高くなるようです。後で説明する理由により、加入度2.5と遜色なく使えています。

累進開始地点を上方に

先ほどの通りで、本来は 上方12mm + 累進帯13mm + 下方6mm = 31mm は必要な累進レンズです。それを私の場合、上方10.5mm + 累進帯13mm + 下方6mm = 29.5mm でレンズ作成して貰いました。

だから正面を向いた時にレンズ上方から10.5mmの部分に瞳孔中心が来るように調整すると、「ずっこけ眼鏡」のような感じになってしまいます。そこで眼鏡の理想となる4:6に合わせて、レンズ上方から12mmのところに瞳孔中心が来るようにフレーム調整して貰いました。

だから正面で無限遠を理想的状況で見たければ、私は顎を引いて睨み上げるような見方をする必要があります。幸い職場や自宅ではそんなことをする必要はなく、自動車を運転する時だけ気付かれないように眼鏡をズリ下げています。

緩めの設定

これは気の利く眼鏡屋さんであれば、既にやってくれていることです。私は無限遠が最もハッキリ見えるレンズ設定よりも、左右ともにプラス0.25を加入して貰っています。4.0m以降は若干ボヤけて見えるという設定です。

ただし手元を見る時には 0.25 + 2.0 = 2.25 という加入度になります。それに外面累進のおかげで加入度が強まるおかげで、内面累進2.5と互角に渡り合える訳です。

私の場合は乱視も入っているので、これでも十分に無限遠で視力を出せて、自動車の運転もOKが出ている訳です。

ただしこの方法は、正視の人や遠視の人にはお勧めできない方法です。この設定で無限遠を見て焦点を合わせようとすると、マイナス度数になってしまうからです。

(眼鏡屋さんでも実際にトラブルが起こったという話は聞いたことがないとのことですが、無理はしない方が良いでしょう)

超軽い眼鏡フレーム

さて私が画像のような眼鏡フレームを使っているのは、家族から「一番似合っている」と言われていることもありますが、「超軽量」という点が大きいです。(実測11g)

眼鏡を掛けている人はご存知の通り、フレームの遊びを無くすと耳が痛くなったりします。だからほんの少しだけ余裕を持たせる、つまり僅かだけズリ落ちた状況で眼鏡を使うのが一般的です。

ここで11gという超軽量眼鏡であれば、机に向かっている時は「少し上げ気味」で使用することが出来る訳です。遠近両用レンズだと、顎を上げて見る必要性が減少します。

すこぶる快適です。だから私は、既に販売終了となった東海工学のベーシックモデルのセレノでも快適に利用できている訳です。

(欲を言えば、ブルーライト低減があると理想的でした。どういう訳か夜中の11時を過ぎると、ブルーライト低減レンズでないと目が疲れます。実効力のないオマケ機能だと思っているのですけど)

まとめ

長くなりましたが、遠近両用という累進レンズのおかげで、私は今もiPadで快適にブログ記事を作成できている訳です。

眼鏡屋さんからは近くばかり見ていると寄り目になりかねないとスマホ非使用をオススメされていますが、なかなか現代人には難しいです。

あと我が家の奥様は眼鏡を外してスマホを見る習慣がありましたが、そうすると眼鏡を掛けない習慣がつき、それによって遠方を見るときも寄り目で見る習慣が付きかねないのだそうです。

(眼鏡屋さんによると癖が付きかけているとのことで、16万円のレンズ&フレームを購入しました)

たしかにスマホは長時間利用しない方が望ましいですが、無理して事態を悪化させるよりは、遠近両用レンズを使用した方が良さそうです。(少なくとも、眼鏡屋さんのアドバイスは遠近両用レンズの積極採用です)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静