我が家の奥様は、スマホを毎日9時間29分時間も使っています。(2020年7月24日のiPhone週間測定データ)
そんな彼女はニコンAIオリジナルという眼鏡レンズを、Lindberg Air Titanium Kellaフレームで使っています。
私の周囲では2番目に高額な10万円のレンズです。(一番は15万円)
累進帯長10mmで加入度数は2.0という過酷な要求を満たせるのは、Nikonが誇るAIオリジナルだったという訳です。
(私のJiNS東海光学は1万円なので、10倍の価格差があります)
今回はどうして彼女がニコンAIオリジナルとLindberg Air Titanium Kellaフレームを必要とするのか、購入顛末記を通じて紹介させて頂くことにします。
-3.0程度の近視
我が家の奥様はマイナス3.0程度であり、近視の中級者です。室内生活ならば裸眼でも大丈夫です。
私の知り合いには近視の上級者(マイナス10近い者)が多く、風呂場でもメガネが欠かせません。だから重くても、熱に強いガラスレンズを好みます。
(現在は殆ど100%の人がプラスチックレンズです。軽いですけども、風呂場への持参するとコーティングがダメになります)
上級者は眼鏡なしでは生きて行けないと言ってしまっても、あながち過言ではないでしょう。女性の場合は恥ずかしがって、わざと小さいフレームを選ぶこともあります。(その方がレンズの厚さや歪みが目立ちません。狭い領域しか見えないので、大抵はの女性はコンタクトレンズを選びます)
一方で中級者の奥様は、スマホ操作には丁度良い近視です。かつては眼鏡を外してスマホを使っていました。
ベッドに横になって使うことも多く、ほぼ真正面でスマホを操作することが習慣になっていました。
(私の場合はベテラン携帯端末使いの習性として、腹のあたりが定位置です)
猫背な主婦
さて我が家の奥様は、料理の腕前は大したものです。お嬢様も尊敬しています。
ただし彼女の料理は残念ながら、要領が良いとは言えません。料理が出来上がるまでの時間が長いです。我が家では空腹に耐える忍耐力を要求されます。
これは彼女が全般的に猫背であり、まな板やフライパンが正面になるように料理していることが原因です。プロのコックさんが千手観音のように視線や手などを動かすのとは対照的です。つまり、何かするたびに体全体を動かしている訳です。
いちいち姿勢を変えていたら、どうしても作業から作業へと渡り歩くのには時間を要します。だから残念ながら「料理の腕前は大したものだが、要領は良くない」という結果になる訳です。
もしかしたら私と異なり、授業や講義を受ける時間が少なかったことも一因かもしれません。授業だと先生と黒板を真正面で迎撃し、ノートは視線を下に落として取ります。最小限の動作で最大の効果を出すべく、首は殆ど動きません。だから自然と眼球の運動、すなわち「回旋」が必要となります。
彼女の場合、そういった回旋運動を必要とする作業の経験が少ないようです。だから料理の時も眼球の回旋運動に頼ることなく、体を動かして正面を向く習慣が身に付いているのかもしれません。
(それに何より、正面を向いて作業した方が丁寧になります。心をこめて料理すると、そうなりますね)
眼鏡店で3時間
しかし視線を殆ど動かさない習慣の人に、視線の方向によって加入度が変わる累進レンズを使いこなすのは難しいです。
そんな訳で、私は最初から超高級な遠近両用レンズが必要になるかもしれないと懸念していました。何しろ視線を下に落とすことが、彼女の場合は本当に少ないのです。手帳へメモを取ることも正面に向かう傾向があります。
もし私のように累進レンズの累進帯長を大きめに取ると、手元を見る場合に眼球を大きく回旋させることになります。このような視線を動かす習慣がない人には、累進帯長は出来るだけ短くすることが得策になります。
そんな無茶な要求仕様なので、眼鏡屋さんも大変でした。デモ・レンズを何度も取り換えるほど真摯に対応して下さったことは、ひたすら感謝するばかりです。
東海光学のエナジーとかまで含めて、いろいろと試しました。なんとかスマホ向け特別仕様のレンズが使いものになると嬉しかったのですが、残念ながらそうはなりませんでした。
本当に1つ1つ丁寧に確認して下さった労力には感謝するばかりです。眼鏡店にあるデモ・レンズは殆ど全て試してしまったような感じで、視力測定も含めると3時間近くも費やしてくれることになりました。
そして最終的な結論として、今回はニコンAIシリーズの “AIオリジナル” を購入するという結論になった訳でした。
何しろ冒頭で説明したように10万円もするだけあって、ニコンさんも力を入れて開発しました。伝説の眼鏡レンズ技術者の職人技をデータ化し、全てコンピュータへインプットしました。
そしてデータを活用して、AIの力によって利用者に適したレンズを磨き上げる訳です。
ちなみに最近はニコンのように極端ではないにしても、データ活用したレンズ作成は高級レンズで一般的になりつつあります。
私も一度だけ高級な遠近両用レンズを試したことがありますけれども、生活パターン・使っている眼鏡フレームのかかり方(フレーム前傾角・そり角、角膜頂点距離など)を測定したりと一大作業でした。
それでも眼鏡店のベテランおじさんに言わせると、「新しいレンズを装着した時にどう変化するかまで見通して注文することが必要。メーカーのデータ活用はまだまだ不十分」なのだそうです。
なんというか、実に奥深い世界です。カールツァイスなどは超高級な測定機器まで用意している訳ですが、思わず納得してしまうような状況です。
まとめ
以上が簡単ですが、我が家のスマホ魔人に対する “超高級な” 遠近両用レンズ(ニコンAIオリジナル)の購入顛末記です。
ちなみにLindbergのAir Titanium Kellaを選択したのは、レンズの性能を活かすためにズレ落ちにくいフレームが必要であり、さらに軽さを求めたのが理由です。
せっかくの超高性能なレンズでも、着用しなかったら意味がありません。ましてやスマホ魔人は、裸眼で快適にスマホを使えるのです。
(ただし着用しないと遠くを見る時にもより目状態を維持することになりがちで、「視線がおかしな人」となってしまう)
幸い、Lindberg エアチタ Kelleにしたのは正解だったようです。
最初の奥様は、「軽いっ!」と驚いたものの、相変わらず裸眼でスマホを利用しようとしました。(一日9時間29分も使う人だから、自然と裸眼のまま生活を続けようとしてしまいます)
しかし外出時から始まって、少しずつ着用時間が伸びました。1年経過した後は、寝る前以外はLinderg Air TitaniumとニコンAIオリジナルで生活しています。
(いや、昨晩もメガネを着用したまま寝入っていましたし、ほぼ常用と言えるかもしれません)
そんな訳で、やっぱり超高級レンズ&超高級フレームは快適なのだなあと、改めて感心している次第です。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:四葉静